Mouse Soup [64P]

 ねずみくんがイタチに捕まってしまいます。イタチはねずみくんをスープにして食べようとします。「ボクの”お話”をスープに入れないと、美味しくないよ」というねずみくんの奇妙な申し出に、イタチは「じゃあ、早く話せ」とのってきます。4つの話をし終えた時、ねずみくんはー。

 

目次で見ると4章で出来ていますが、プロローグ(冒頭で話に入る前振り)と、エピローグ(結末)の部分があり、6つの部分に分かれていると考えるとわかり易いと思います。つまりー

 プロローグーねずみくんがイタチに捕まり、4つの話をすることになる。

1話目ー 蜂の巣がネズミの頭に落ちてきて、そのまま住みつこうとする話

2話目ー 2つの岩が、動けない自分たちが住んでいるところについて考える話

3話目ー ネズミがコオロギの鳴き声がうるさくて眠れない話

4話目ー おばあさんネズミが、家のソファに棘だらけの植物が生えてきて、おま  

      わりさんに相談する話。

エピローグ(結末)ー 話し終えたねずみくんに、「で、その”話”をどうやってスープに

                                    入れるんだ?」とイタチはたずねます。ねずみくんは・・・。

 

こんな風に、マトリョーショカ(入れ子人形)のように「話の中でさらに話が語られる」という形なのです。何だかややこしそうですが、かえって一つ一つの話が短く、英語もく易しく絵も豊富なので、初級レベルくらいの方であれば、十分楽しめる内容に仕上がっています。

 

著者 Arnold Lobel の名前を聞いてピンっときた方もいるかもしれません。あのあまりにも有名な ”Frog and Toad ”(かえるくんとがまくん)シリーズの作者です。カテゴリーとしては絵本作家とされていますが、この作品は絵本と小説の間くらいの内容ですね。

もし、私が子供の頃にこの話を読んでいたら、ねずみくんがどうなっちゃうのか、相当ワクワク、ハラハラしながら読んだと思います。大好きな作品の一つです。

 

*この本には邦訳があります。

おはなしばんざい (ミセスこどもの本)