Amelia Bedelia [64P]

Amelia Bedelia は Rogers家で家政婦として働くことになります。Ameliaの仕事初日にRogers夫妻は外出しなければならなかったので、Rogers夫人はその日やっておくことの一覧のメモを残していきました。Ameliaは仕事にとりかかる前に Rogers夫妻を喜ばせようと得意料理のレモンメレンゲパイを焼き、さて、仕事のメモを見てみると、なんだか奇妙な指示ばかり。怪訝に思いながらも、メモにある通り’忠実’に仕事をこなしてゆくのですが、それは Ameliaの思い違いで家中が大変なことに。帰ってきた Rogers夫人は激怒しますが、思わぬものが Ameliaを救います。

 

1963年に出版された作品です。古い割に使われている英語自体は易しく読みやすいのですが、私はこの作品のレベルを’初級’にするか’初級~中級’にするか、結構悩みました。この作品のツボは主人公の Ameliaが仕事のメモにかかれた言葉を読み違えるところにあるのですが、それが私たち英語を母国語としない人には難しい場合があるからです。日本語で例えれば「魚をおろす・窓をふく」というのを、机に置いてある魚を床に’下ろす’、窓に息をフーフーと’吹く’みたいなことをしている訳です。

ですから、何をどう読み違えているのかを理解できないと、この作品はチンプンカンプンなんてことになりかねないのです。

あまりネタバレにならない範囲で、ヒントをまとめてきます。

1.’Change the towels'  ’替える’ ⇒ '変える’

2. 'Dust the furniture'  ’ホコリを払う' ⇒ ’粉をまく’

3.'Draw the drapes'  ’(カーテンなどを)引く’ ⇒ ’(絵を)描く’

4.'Put the light out'  ’(電気などを)消す’ ⇒ ’(外に)出す’

5.'Measure two cups of rice'   ’量る’ ⇒  ’測る’

6.'Trim the fat'   ’刈り取る、切り取る’ ⇒  ’(帽子や服のふちに)飾りをつける’

7.'Dress the chicken''  '(服を)着せる’ ⇒ ’(魚・肉などの)下ごしらえをする’

尻込みしてしまう方もいるかも知れませんが、このツボさえ押さえておけば、絵も豊富でとても楽しめる作品です。

 

 著者は Peggy Parish。Amelia Bedeliaは50年以上に渡って愛されているキャラクターです。

Amelia Bedeliaシリーズとして48巻も出版されています。ただしPeggy Parish自身による作品は初めの12作で、Peggyが1988年に他界してからは、甥の Herman Parishにより書き継がれています。

「言葉遊び」「言葉のあや」がテーマになっている場合、話が見えなくなりやすいので、少し力がつくまで後回しにするという手もあります。あるいは面白みが感じられないのであれば、避けてしまうのもいいと思います。洋書は星の数ほどあります。自分に合う本がきっとあります。ノリの合わない本に関わって洋書から遠ざかってしまっては元も子もありませんから。