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HARRY series

 Harry the Dirty Dog  [32P]

 お風呂が大嫌いな HARRYはある日、バスタブに水をためている音を聞いて、家を飛び出します。工事現場へ行ってほこりまみれに、黒い煙を出して走る汽車のそばではすすまみれに、そしてトラックに積まれた石炭まみれになりながら、真っ黒になるまでほかの犬たちと遊び回りました。でも、疲れてお腹が減ってくると家のことを思い出し、一目散に走って帰ります。しかし、家の人は HARRYのあまりの変わりように、HARRYのことが分かりません。HARRYを見ても「あれ、変な犬がいるよ」なんて言う始末。HARRYは一生懸命自分だとアピールするのですが、家の人たちは「この犬がHARRYな訳ないよ」と信じようとしないのです。HARRYはあきらめて立ち去ろうとしますが、その時あることを思い出します―

果たして HARRYは家の人に分かってもらうことができたのでしょうか?

 

 

No Roses For Harry (Mini Treasure) [32P]

HARRYは誕生日に飼い主の祖母にあたる人からセーターをプレゼントされます。でもHARRYはそのセーターが好きになれません。隙を見て何とかそれを"なくそう"としますが、うまくいきません。ある時、庭でセーターの少しほつれたところをちょとづつ引っ張っていると、鳥が飛んできて、その端をくわえて空に舞い上がりました。セーターはするするとほどけて1本のヒモになり、鳥はそれをくわえたまま飛び去っていきました。HARRYは大喜びします。

ある日、プレゼントしてくれた祖母が家を訪れます。HARRYは祖母と孫たちに公園へ散歩に連れて行ってもらうのですが、そこで彼らが見つけたのはー。

最後、HARRYはクリスマスプレゼントに祖母から再び新しいセーターをプレゼントされます。HARRYはとっても気にいりました。だって今度のセーターは・・・

 

 

 Harry and the Lady Next Door (I Can Read Level 1) [64P]

HARRYは近所の人たちが大好きでした。ただ一人の女性を除いて・・・。

それはカナキリ声を張り上げて歌うお隣さん。HARRYはその歌が大の苦手。

あの手この手でその女の人が歌うのを止めさせようとしますが、何をやってもうまくいいきません。しかし、公園の外れであるものを見つけてから事態は急展開し、一気に意外な結末を迎えることになります。

お隣の女の人に何が起こったのでしょうか?そして HARRYはこのトラブルを解決できたのでしょうか?

 

 

Harry by the Sea [32P]

HARRYは海辺のすべてが大好き。でも暑い日差しだけは大の苦手。ある日かつてないほど暑い日に、日陰を探しますがどこへ行っても邪魔者扱いされてしまいます。波打ち際で途方にくれていたとき、突然大きな波に飲み込まれ、体中に海藻がからみついて取れなくなります。その姿を見た周りの人たちは、怪物だと勘違いし大騒ぎに。そんなHARRYを見かけた海辺の係員は、捕まえて水族館に連れて行こうとします。HARRYは捕まえられてしまうのか?HARRYの運命は?!

 

 

さて、どうしてこんなに人気があるのか私なりに考えてみました。それはこのシリーズの芯の部分が全作品を通して一貫しているからではないかと思います。
私の Harryの印象は、一言で言うなら”天真爛漫”です。Harryは徹底して「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」です。Harry the Dirty Dogでは「お風呂が嫌い」、No Roses For Harry では「プレゼントされたセーターが嫌い」、Harry and the Lady Next Door では「お隣の女の人が嫌い」、Harry by the Seaでは「暑い日差しが嫌い」です。Harryは嫌いなものからは逃げ出すか、何とか排除しようとします。決して「嫌いなもの」を頑張って好きになろうとはしません。
このシリーズは小さな子供向けに書かれているので、いろいろな制約があり、話がシンプルになるのは分かりますが、それでも「それから Harryはお風呂が大好きになりました」「そのプレゼントを大切にするようになりました」「お隣の女性と仲良しになりました」「暑い日差しも良いなと思うようになりました」という、学校の道徳の授業のようなエンディングも可能だったはずです。
しかし、このシリーズを通して Harryの「好き」「嫌い」は決して変わりません。中でも Harry and the Lady Next Door のエンディングは”小さな子供向けに書かれた本”としてはかなり辛口な終わり方だと感じます。何だか「ヤッター!苦手な上司が異動で転勤することになった。」みたいな、大人の現実にありそうな場面を思い浮かべてしまいました。
こんな風に子供向け作品だからといって、きれい事・理想論でお茶を濁すことなく、HARRYが「自分の気持ちにまっすぐに生きている」ところに読者は惹かれるのではないでしょうか。
そういえば、この作品のイントロの定番ー"HARRY was a white dog with black spots"
これは、ひょっとしたら HARRYが「白黒ハッキリつける犬」ということを暗示してるのかもしれませんね(笑)。